書く瞑想で「今」に気づく

書く瞑想でマインドフルネスを深める
「今、この瞬間」に起きている事柄や状態をありのままに受け入れるマインドフルネス。
ストレスを軽減したり集中力を向上したりなど、心の健康を保つ効果があると注目されています。
マインドフルネスには自分の呼吸に意識を集中する呼吸瞑想をはじめ、歩行瞑想や食べる瞑想などさまざまな方法がありますが、今回ご紹介するのは書く瞑想であるジャーナリングです。
「今、この瞬間」自分が思っていることや考えていることを書き出して、自分の状態に気づき、心と思考をととのえるもの。同じ内容をぐるぐると考えて気持ちが落ち込む、頭のなかの整理ができなくなるとすぐにイライラしてしまう、というかたにおすすめをしたいです。
マインドフルネスを深める書く瞑想、ジャーナリングの効果や方法を一緒に見ていきましょう。
マインドフルネスとは
マインドフルネスの定義は「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずにとらわれのない状態でただ観ること」とされています。
もう少しわかりやすくいうと「今、この瞬間」自分がどういう気持ちなのか、体の調子はどうか意識を集中し、良い・悪いなどと判断をせずにありのままを観察することです。
わたしたちは気づかないうちに、「今」ではなく過去や未来に意識を向けてしまう傾向があるため、「今」目の前で起きている出来事や自分の心の動きが見えなくなってしまいがちです。
もしかしたら見えているのかもしれないけど、仕事、家事、学業などに追われ自分の心を蔑ろにしてしまっているのかもしれません。
マインドフルネスは日本語で「気づき」とも訳されます。自分で自分の心と体の状態に気づいてあげて、ありのままに受け入れられるようになると、感情を上手にコントロールできるようになったり、ストレスを軽減したりなど心穏やかにいられるようになります。
マインドフルネスは自分の心と体を大切にするためのセルフケアとして注目を集めているのです。
ぐるぐる思考の癖はマインドフルネスで解消できる
ぐるぐる思考とはネガティブな出来事を何度も思い出して悩んでしまう考え方をいいます。
たとえば「どうしてあんな言い方をしてしまったのだろう」「あんな態度を取ってしまったけど嫌われたらどうしよう」などと、変えられない過去をずっと考え続け気持ちがますます憂うつになる状態です。
考えても仕方がないとわかっているのに、寝ても覚めても同じ内容を繰り返し考えてそこから抜け出せないのは、本当に辛く苦しいですよね。
ぐるぐる思考を止めるには、ぐるぐる思考をしている自分に気づくことが大切。
ありのままの自分の心と体の状態に気づいてそのまま受け入れるマインドフルネスは、ぐるぐる思考を解消するのに効果を発揮します。
マインドフルネス瞑想のひとつ ”ジャーナリング”とは
マインドフルネスになれるための方法として、書く瞑想であるジャーナリングがあります。ジャーナリングとは頭に浮かんだ感情や考えをありのままに書き出すことです。
1日を振り返りながら書く日記とは異なり、思い浮かんでくることを文法や誤字脱字などは気にせずに書き進めていきます。
モヤモヤした気持ちや曖昧な考えを文字にすると、自分を客観視できるようになります。自分がどんなことに対してストレスを感じているのか、なにに悩んでいるのかなど、これまで発見できなかった新しい気づきを得られるのです。
ジャーナリングで情報を整理して自分の棚卸をすると、自己理解も深まるとされています。
ジャーナリングで得られる効果
ジャーナリングを行うと得られる効果を早速見ていきましょう。
自分の思考や感情を客観視できる
ジャーナリングは誰かに読んでもらうわけではないため、うまく言葉にできない感情も頭に思い浮かぶままに書いていけます。もちろん、ネガティブなものでもポジティブなものでも書いてOKです。
書いた内容を振り返ることで自分を客観視できるため、思考や感情のパターンがわかるようになります。たとえば、「こんなとき自分はイライラしがちになるから、気持ちを落ち着かせるために5分間だけひとりになろう」と対策を考えられるようになります。
自分の思考や感情を客観的に観察できるようになると、結果的に心の安寧にも繋がります。
ストレスが和らぐ
もやもや、ムカムカする出来事があったとき、誰かに話を聞いてほしくなるもの。言葉にして吐き出すとスッキリしますよね。とはいえ話す方もじつはエネルギーがいるものです。
相手の都合を考えたり、なかなか時間が合わなかったりなど気を遣ってさらにストレスが増えることもあるでしょう。
ジャーナリングは話を聞いてもらうことと同じように、ネガティブな感情を文字に書き出すことで気持ちが落ち着いてきます。
イライラ、モヤモヤ、悲しいなどのネガティブな感情を我慢しないで紙に書くと、ストレスを和らげてくれる効果があるのです。
ジャーナリングの手順
ジャーナリングに決まったルールはありません。頭のなかの考えや感情を書き出せるならどんな方法でも良いのです。紙とペン、そして自分の心が落ち着ける場所があればいつでもどこでもできます。
時間は5〜15分が丁度いいとされていますが、ひとそれぞれ丁度いい感覚は異なります。まずは少しの時間からトライしてみましょう。
①テーマを絞ろう
頭のなかに浮かんだ思考や感情を自由に書いていいといわれても、なかなか書き進まない場合もあるかと思うのでまずはテーマを絞ってみましょう。
・嫌だと感じたこと
・怒りを感じたこと
・嬉しかったこと
・仕事のこと
・今日1日頑張ったこと
・目標や願望
・日々感謝を感じること
・譲れないもの など
自分の内側に向き合いながら文字にして書くと、価値観、強み・弱み、性格など自分をもっとよく知ることができます。
②書いた内容を再度読んで振り返ろう
書いたあとは少し時間を置いてから、もう一度客観的に内容を読んで振り返ってみます。
「わたしはこんなことに嫌悪感を抱きやすいのか」「〇〇をしているときがわたしらしくいられるのかも」「書いたときと感じ方が変わっている」などと自分の本当の気持ちや成長に気づけるでしょう。
ジャーナリングを行うのポイント
テーマを絞っても書くことがあまりないという日もあるでしょう。そのようなときに落ち込む必要はありません。潔く「書くことがない」と書きます。こだわりすぎずに気楽に行いましょう。
大切なのは続けること。ジャーナリングが毎日の習慣になると「今、この瞬間」の自分の思考や気持ちに気づけるようになります。
マインドフルネスな状態でいられる時間を増やしていこう
今回は、マインドフルネスになるための手段として書く瞑想であるジャーナリングをご紹介しました。
マインドフルネスは自分の心と体を大切にするためのセルフケアのひとつです。
マインドフルネスのひとつであるジャーナリングは、思い浮かんでくる考えや感情をひたすら文字にすること。自分の頭と心の状態に集中し情報を整理して振り返る、この作業は自己理解を深めます。
マインドフルネスな状態でいられる時間が増えてくると、イライラしてきた、怒りが込み上げてきた、わたしはとても幸せだ、など「今」の自分の心に気づけるようになります。
心がざわつき始めたらまずはゆっくりと深呼吸。
マインドフルネスの「気づき」があればどんな自分もありのままに受け入れ、感情に振りまわされることなく心が穏やかな状態でいられる時間がきっと増えてきます。
今日からジャーナリングを始めてみませんか。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。