心と体が整う5分間の瞑想

瞑想って本当に効果があるのか疑問に思っているかたも多いのではないでしょうか。
もしかしたら宗教的なものなのではないか、怪しくて近寄りがたいと感じているかたもいらっしゃるかもしれません。
瞑想は脳科学や心理学の分野においてわたしたちの心と体に良い影響があると確認されています。今回は、瞑想を行うと得られるメリット、仕事や家事の合間にたった5分間でできる心と体を整えるマインドフルネス瞑想をご紹介します。
マインドフルネス瞑想
古代インドの言語であるパーリ語の仏教用語「sati(サティ)」を英訳したものがマインドフルネスです。日本語では「気づき」と訳されます。
仏教との関わりが深いインドフルネスの効果を医療に役立てられないと考え、科学的に実証を重ねていったのがジョン・カバット・ジン博士です。
マインドフルネス瞑想を行うと、脳を一時的に休ませられるためストレスが軽減されたり集中力が向上したりなどの効果に繋がります。また、自己認識力や衝動の抑制などにも良い影響を与えると確認されているのです。
5分間の瞑想を続けると得られる効果
マインドフルネス瞑想はわたしたちにさまざまな効果をもたらします。
日々の暮らしのなかで5分間のマインドフルネス瞑想を継続すると得られる効果は以下の通りです。
- 集中力が向上し生産性が上がる、頭がクリアになる
- 脳疲労を回復する
- 不安やストレスなどが軽減される
- 免疫力が上がる
- 睡眠の質が向上する
- 感情のコントロールができるようになる
- 穏やかになり幸福感が向上する など

マインドフルネスでDMNの活動を抑制
マインドフルネスは1日中フル回転している頭の中を静かに落ち着かせて、何も考えない時間を意識的に作り出します。
わたしたちの脳はボーっとしているときでも約7〜8割ものエネルギーを消費しているそうです。これはDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といわれ、脳が無意識に活発になる脳機能のネットワークをいいます。
DMNが「オン」の状態にあるとアイデアが生まれやすかったり、脳内の情報が整理されたりなどのメリットがありますが、過剰に働きすぎると過去の後悔や未来への不安で頭がいっぱいになりいくら休んでも疲れが取れない症状が起きやすくなります。
「今、この瞬間」に意識を向けて集中すると、DMNの活動を抑制して脳に休息を与えられるのです。
マインドフルネス瞑想(呼吸法)の方法
早速マインドフルネス瞑想の基本的な呼吸法を一緒に確認していきましょう。5分でできるため、起床時や仕事、家事の合間などに呼吸を整えてみませんか。
心と体がすっきりとリセットされて、集中力の向上やリフレッシュ効果が得られます。
①まず1人になれる落ち着く場所に行きましょう。楽な体勢で座ったら背筋をピンと伸ばし、重心が真っすぐに座骨に落ちるイメージで安定した姿勢を保ちます。
体をゆっくりと左右に揺らしながら、均等に体重をかけていきましょう。
②次に自分の呼吸を観察しましょう。腕や肩をリラックスさせて無理のない姿勢で楽に呼吸をととのえます。
呼吸と共にお腹が膨らんだり縮んだり、肩がゆっくりと上下したりする感覚に集中します。「今、息を吸っている」「今、息を吐いている」という感覚を丁寧に捉えてみましょう。
③マインドフルネス瞑想をしていると、感情や思考が浮かんできて集中が途切れることもあります。呼吸から意識が逸れたとしても自分を責めずに「今仕事のことを考えたなぁ」などと気づき、受け入れて、そっと呼吸に意識を戻しましょう。
ポイントは「自分の心や思考はあちらこちらに動き続けるものだ」と自分自身で気が付くことです。浮かんできた思考や心の動きは手放して追いかけないことが大切です。

マインドフルネス瞑想で幸せホルモンが分泌
「今、この瞬間」に意識を集中するマインドフルネス瞑想によって、幸せホルモンのひとつであるセロトニンという脳内物質が増えることもわかっています。
セロトニンが不足していると、イライラしたり不安になったり、良質な睡眠が取れなくなったりなど心と体にさまざまな症状が現れます。さきほどご紹介したマインドフルネス瞑想法のように、深くゆっくりと安定した呼吸が幸せホルモンの分泌に関連しているため、ストレス軽減やリラックスに繋がるのです。
自分の思考以外に注意を向ける
呼吸に意識を集中するのがマインドフルネス瞑想の基本ですが、”自分の思考以外に注意を向ける”というポイントさえ守れば何でもマインドフルネス瞑想になり得ます。
たとえば、お料理の最中に野菜を切るトントンという音、蝉や蛙の鳴き声に意識を集中させたり、スプーンですくうたびに溶けていくアイスクリームの様子や食感に意識を集中したり。どこにいても何をしていてもマインドフルネス瞑想を取り入れられるようになります。
1日5分間の瞑想を取り入れて心地よく過ごそう
今回は、心と体を整えるたった5分間の瞑想としてマインドフルネス瞑想をご紹介しました。マインドフルネス瞑想の基本は、自分の普段の呼吸に意識を向ける呼吸瞑想ですが、日々の暮らしのなかでいつでもマインドフルネスな状態を作り出すことが可能です。
大切なのは自分の思考や感情に「気づく」こと。そしてそこから離れる時間を意識的に作ること。たった5分間の瞑想で、フル回転している脳を一時的にお休みモードにさせて思考や感情でいっぱいになった自分の心と体をリセットできます。
気づいて、手放して、今ここに集中する。
自分のペースで瞑想を取り入れてみませんか。心と体を整えて心地よい日々を過ごせたらいいですよね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。