心が軽くなる考え方

考え方の癖に気づくマインドフルネス
なにか些細なことであったとしてもうまくいかなかったときに「どうしていつも失敗しちゃうんだろう」と落ち込んだり、「〇〇しなければならないのに」と決めたことが出来なかった自分を責めてしまったり。
わたしたちにはみな、それぞれが持っている考え方の癖があります。
考え方を変えたいけど簡単には変えられないよね、と悩んでいるかたもいるのではないでしょうか。大切なのは自分の考え方の癖に気づくことです。
今回は、自分の考え方に気づくマインドフルネスについてご紹介します。
考え方の癖とは
考え方の癖とは「学習によって得た考え方のパターン」をいいます。
たとえば、カフェの店員さんが追いかけてきて日傘を届けてくれたとします。このようなとき皆さんはどう考えるでしょうか。「暑いからとても助かった」と考えるひともいれば、「仕事中にお手数をかけてしまって申し訳なかったな」と考えるひともいるでしょう。
起きた出来事はひとつですが、とらえ方や考え方はひとそれぞれ異なります。
考え方のパターン
ものの受け取り方や考え方が極端に偏っていることを「認知のゆがみ」といいます。
考え方の癖には以下のようなパターンがあるとされています。
1. 白黒思考・・・曖昧な状態に耐えられず、物事に白黒付けたがる。
2. 過度な一般化・・・「いつもうまくいかない」と決めつける。
3. 心のフィルター・・・物事のネガティブな面ばかりを見る。
4. マイナス化思考・・・なんでもないことをネガティブに意味づける。
5. 結論の飛躍・・・根拠がないのに悲観的な結論を考える。
6. 拡大解釈と過小評価・・・悪いことを大きくとらえ、良いことは大したことないととらえる。
7. 感情的決めつけ・・・自分の気分次第で物事の判断基準が変わる。
8. すべき思考・・・「〜すべきだ」「〜しなければならない」などと考える。
9. レッテル貼り・・・自分や他者の一部分だけを見て、根拠もないのに極端に決めつける。
10. 個人化・・・なにか悪いことが起きたとき、自分に責任が無くても自分のせいだと考える。
考え方の癖に気づくことの大切さ
考え方のパターンを見て、心当たりがあるなと思ったかたもいるかと思います。ですが「否定的な見方ばかりしている気がする・・どうしようもないな」などと考える必要はまったくありません。
また「なるべくこんな風に考えないようにしよう」と思うかもしれませんが、自分の考え方の癖をすぐに変えるのはなかなか難しいですよね。
大切なのは自分の考え方の癖に気づくこと。
たとえば、「掃除も料理も全部完璧にしなければ!」と考え自分にプレッシャーを与えてしまう「〜すべき」の考え方をしてしまう傾向があるんだと気づくことで、幾らか落ち着いて自分を見られるようになります。
生活しているなかで「すべき思考の癖がまた出てきたかも」と気づき、その思考の歪みが自分を苦しめているかもしれないのであれば、もっと別の考え方があるかもしれないと少しでも立ち止まれたらいいですよね。
考え方はひとつではないし、正解も無くて、日々の暮らしが少しでも自分にとって心地よいものになっていけたらなんだか素敵な気がしませんか。
考え方の癖に気づけるマインドフルネス
マインドフルネスとは「今、この瞬間」の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態でただ観るというスキルです。
「今、この瞬間」目の前で起こっている現実を意識し「ただ観る」ことにより、後悔や不安、怒りなどのネガティブな感情を受け入れて、ストレスや悩みなどの精神的な不調を改善するのに役立ちます。
また「ただ観る」とは、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を総動員するということです。マインドフルネスの実践により自分の考え方の癖も客観的に観られるようになります。
良い悪いなどの判断をしたり自分の解釈を加えたりせずにいれば「今、この瞬間」のありのままの世界が観えてくるのです。
ヴィパッサナー瞑想とは
ここからはマインドフルネスになれるヴィパッサナー瞑想をご紹介します。
パーリ語であるヴィパッサナー(vipassana)の「ヴィ」とは、「ありのままに・明瞭に・客観的に」、「パッサナー」とは、「観察する・心の目で見る・観る」という意味を表します。
瞬く間に起き続ける思い込みやしがらみを理解できるヴィパッサナー瞑想は、「気づきの瞑想」ともいう誰もが簡単に実践できる心のトレーニングです。
いつ、どんな時に、何をしていても、「今、この瞬間」の自分に客観的に気づいていくことです。
ヴィパッサナー瞑想の基本は、以下の3つあると考えられています。
1. スローモーション
身体をできるだけゆっくりなスピードで動かすこと。
2. 実況中継
今自分がしていることを、頭の中でシンプルな言葉で確認すること。絶え間なく行うことで雑念が消え、集中力が生まれる。
3. 身体の感覚を感じる
歩いたり、止まったりする度に変わる身体の感覚を感じ取ること。
たとえば、わたしは今お昼ご飯の準備をしています。目玉焼きにお醤油を垂らそうとします。白米を温めていたレンジがピーッと鳴りました。お醤油を垂らしたいけれどレンジへ向かいます。
扇風機の音が聞こえます。そうだタクアンのお漬物も出そうと思いつきます。連続テレビ小説が始まりました。お醤油と卵の良い香りがします。今日の晩御飯はとろろご飯にしようと決めました。
お米と卵とお醤油の組み合わせってどうしてこんなに美味しいんだろうと思います。タクアンを噛むポリポリという音が聞こえます。早食いをしてしまいがちなのでなるべくゆっくりよく噛んで食べようと考えます。
このように、無意識に行っている動作をはじめ、匂いや味などにも意識を集中させます。また、頭に浮かんでくる雑念や心の感覚も同じように実況中継し続けるのです。
継続していくことで、日々の暮らしのなかで「気づき」が実践できるようになります。
気づきは思考を手放したり考え方を変えたりすることに必ず繋がります。
気づきの瞑想を実践して自分の考え方の癖を知ろう
今回は自分の考え方の癖に気づくマインドフルネスについてご紹介しました。
自分の考え方をガラリと変えるのは簡単ではありませんが、違う考え方に出会える可能性があります。
まずは自分の考え方の癖に気づくことが大切で、これをサポートしてくれるのが「今、この瞬間」ありのままの自分の心と体に意識を集中させるマインドフルネスです。
気づきの瞑想ともいわれるヴィパッサナー瞑想は、仕事中ちょっと集中が切れたときや休憩中、自宅に帰る電車のなか、帰宅しお風呂に入っているときなど、いつでもどこでも実践が可能です。
自分が持っている考え方の癖にこだわらず、もっと別の考え方もあるかもしれないと一呼吸置くことで、自分の心が少しでも楽になって、生きやすくなれたらいいですよね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。