呼吸で整える心と眠り

マインドフルネス瞑想と心地よい眠り
「疲れていて眠たいのになかなか寝付けない」
「夜中に何度も目が覚める」このような経験は誰しもあるのではないでしょうか。思うように眠れないと本当に辛いですよね。
睡眠の質が悪いと日中も体がだるいと感じたり、脳の機能が完全に回復できず記憶力や集中力が低下したりなどの影響を及ぼします。
睡眠に関する悩みがあるというかたに試してほしい対処法が、自分の呼吸に意識を向けるマインドフルネス瞑想です。マインドフルネスの短期的な素晴らしい効果として睡眠の質が高まることが確認されています。
今回は、マインドフルネス瞑想と睡眠についてご紹介します。
睡眠の役割
「寝る子は育つ」ということわざがありますが実際に、もっとも深い眠りに達する最初の3時間のあいだに成長ホルモンは分泌されているそうです。
睡眠の役割は心と体のメンテナンスです。
しっかり眠れた日の朝って、とっても気持ちがいいですよね。朝からなんでもやれそうな気持ちになります。
ぐっすりと質の良い睡眠がとれていると翌日のパフォーマンスも上がります。
それは眠っているあいだ、わたしたちの体内では以下のようなさまざまなメンテナンスが行われているからです。生きていくうえで、睡眠がいかに重要かがわかります。
・疲労回復を早める
・アンチエイジングを促す
・自律神経のバランスをととのえる
・脳や体を休養、成長させる
・免疫機能を強化する
・記憶の整理をする
・気持ちを落ち着かせる
自律神経をととのえるマインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想は自律神経をととのえ、睡眠の質を高める効果があると科学的にも証明されています。「今、この瞬間」ありのままの自分の心と体に意識を向けて集中している状態がマインドフルネスです。
そしてマインドフルネス瞑想で大切なのは呼吸です。呼吸は自律神経と深く関わっています。呼吸が浅いと、心と体が興奮したり緊張したりしているときに働く交感神経が優位になります。
体は緊張状態に陥り、1回に吸う酸素の量も腹式呼吸の約半分に減ってしまうため、息苦しさや不快感を感じてしまうのです。十分な酸素が脳に行きわたらず、自律神経にも悪影響を及ぼします。
マインドフルネス瞑想では呼吸に意識を向けているうちに、だんだん自然に深く落ち着いた呼吸になっていきます。
深くリラックスして落ち着いた呼吸は、心と体がともにゆったりと安らいでいるときに働く副交感神経を優位にします。副交感神経が優位に働くことで、心と体は深い眠りにつく準備を始めるのです。
呼吸はコントロールできる
呼吸は自分の意志でコントロールできます。緊張しているときに意識的に大きく深呼吸をすると落ち着きますよね。深呼吸をすると気持ちが落ち着くのは、幸せホルモンと呼ばれる”セロトニン”が関係しています。
数分のあいだ鼻から息を深く吸って、しっかり吐ききる、これを繰り返していると脳内にセロトニンが分泌されます。心を安定させて不安や緊張を取り除き、ポジティブな感情を生み出してくれるのです。
新鮮な空気を胸いっぱいに吸って、体中が満たされていくのを感じてみましょう。
寝ながらできる瞑想
マインドフルネス瞑想は寝ながらでも行えます。すっと眠れそうな日もなかなか寝付けない日も関係なく、毎日コツコツ行うことが大切です。
マインドフルネス瞑想で自分の呼吸に意識を向けていると、普段自分の呼吸がどれだけ浅いかに気づかされるでしょう。
マインドフルネス瞑想が習慣づいてくると眠る時だけではなく日中も、呼吸が浅くなっていることに気が付いて、意識して深い呼吸ができるようになります。
1. リラックスして寝転がる
お布団の上で仰向けに寝転がります。両の手のひらは上向きにして体の横に置きましょう。両脚は腰幅くらいに開きます。
そのまま眠りにつきたいのでお気に入りの毛布やタオルケットなど、季節に応じてかけておいてくださいね。
2.自分の呼吸にしっかりと意識を置く
目を閉じてゆっくりと鼻呼吸を繰り返しましょう。
鼻から吸って気管を通り、肺に送られる空気をイメージします。
また、呼吸とともにゆっくりとお腹が膨らんで凹んだり、肩が上下したりする体の変化をただひたすらに感じます。「今、息を吸っている」「今、息を吐いている」という感覚をしっかり意識してみましょう。
3.感情や思考が浮かんでも追いかけない
呼吸を意識しているあいだ、その日起きた出来事や明日の仕事のことなどを考えてしまうこともあるでしょう。
まずは「自分の思考はあちらこちらに動き続けるものだ」と理解しておくことが大切です。雑念が出てきても大丈夫です。「今こんなことを考えたな」と気づいたあとは、しずしずと再び呼吸に意識を戻しましょう。
大切なのは呼吸に意識を集中できなくても自分を責めないこと、浮かんできた思考や心の動きを追いかけないことです。
眠りやすい環境もととのえよう
ゆっくりと呼吸に意識を向けていると心地よい眠りに誘われます。いつの間にか眠っていられたら最高ですよね。
眠りやすい環境づくりも大切なポイントです。季節によっても変わりますが、自分が心地よいと感じる温度と湿度を保てるようにエアコンや暖房器具なども上手に使いましょう。
そしてスマートフォンはなるべく手の届かないところへ。
手元にあると時間を確認するだけのつもりが、ついついニュースやSNSなどのコンテンツを見始めて全然眠れなくなった経験のある方も多いのではないでしょうか。
画面から発せられるブルーライトは視覚を刺激し、脳が昼であると認識してしまいます。
寝る1時間前からはスマートフォンの使用は控えることもぐっすり眠るためにはとても大切です。
マインドフルネス瞑想を習慣化して眠りの満足度を高めよう
今回はマインドフルネス瞑想と睡眠についてご紹介しました。
マインドフルネス瞑想を継続していると短期間で睡眠の質を向上するだけではなく、日々の暮らしにおけるパフォーマンスも向上します。
呼吸に意識を向けていても雑念が湧いてなかなか眠れないこともあるかもしれませんが、焦らずにゆっくりと落ち着いた呼吸を続けてみましょう。
思考や感情が湧いてきたとしても「また考え事をしてしまった」と自分を責めないことです。「こんなことを考えたな」と客観的に気づいてあげて、ありのままに受け入れ、追いかけずに、そっと呼吸に意識を戻します。
繰り返し行っているといつの間にか、深い眠りに入っているでしょう。
1日5分から始められるマインドフル瞑想で、朝までぐっすり眠れるチカラを高めていきませんか。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。