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瞑想とマインドフルネス

不安をほどく、呼吸の時間

不安をほどく、呼吸の時間

今すぐにできる不安に対する瞑想

こんにちは。梅雨が明け暑さが厳しくなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。

みなさんは今、不安に思っていることや心配事などはありますか。

不安を感じる対象が明確である一方で、漠然とした不安を抱えている場合もあるかと思います。不安な状態が続くと心が落ち着かなくてイライラしたり、集中力が続かなかったりなど日々の暮らしに支障をきたすことも。

まずは「今わたしは不安を感じている」とありのままに受け入れてあげることが大切です。

「今、この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスは、不安な気持ちを和らげるのに効果があるとされています。

今回は不安になると心と体に現れる症状や、不安に対する瞑想としてマインドフルネス瞑想をご紹介します。

不安の正体

そもそも不安とはどのような状態をいうのでしょうか。

「明日の面接失敗したらどうしよう」「出産して子育てをうまくやっていけるのだろうか」など、なにかが気がかりで落ち着かない心の状態になった経験は誰しもあるかと思います。

ひとはどんなことに不安になるのかというと、仕事や恋愛、お金、家族、育児などさまざまな要因があります。どれも予測ができないから不安になるのではないでしょうか。

きっと実現できるはずと期待する気持ちと、もしかしたら悪い方向にいってしまうかもしれないという怖れの気持ち。まだ起きてもいないことをあれこれ妄想して心がとらわれている状態です。

このように見ると不安という感情は良くないことのように思えますが、とても大切な心の働きをしています。身の危険やストレスなどに対して逃げるか戦うのか、自分の身を守るための適切な対応の準備をするためでもあるのです。

不安になりやすいひと

それではどんなひとが不安になりやすいでしょうか。不安を感じやすいひとの特徴として、真面目で責任感が強かったり、怖がりであったりするという点が挙げられます。

真面目なひとは完璧主義で何事にも全力投球。目標を達成するために徹底的に取り組みます。困りごとがあっても他人に頼らず自分でどうにかしようと考えて、1人で抱え込みがちです。考えすぎてしまうことから不安になりやすい傾向があるといえます。

また怖がりなひとは警戒心が強く、物事が起こる前からネガティブなイメージを抱きがちです。周りの視線や他人にどう思われているかが気になるため、不安になりやすい傾向があると考えられています。

不安から抜け出せない。心と体に起こる影響

不安になるのは当たり前に起こる大切な感情ですが、毎日不安や心配な気持ちが収まらない状態が続く場合は注意が必要です。不安な状態が続くとわたしたちの心と体にさまざまな症状が現れます。

考えすぎて頭がいっぱいになりなかなか寝付けなかったり、やっと眠れたと思ってもすぐに目が覚めてしまったり。寝不足により日中の集中力や注意力が低下し仕事や家事など日々の暮らしに支障をきたす可能性もあります。

ほかにも不安が続くと心と体に起こり得る影響は以下の通りです。

心への影響

・過度に心配をする
・気分が落ち込む
・落ち着かない
・イライラする
・自己肯定感が低下する

体への影響

・動悸がする
・息苦しくなる
・寝不足により免疫力が低下する
・自律神経のバランスが乱れ、めまいや立ちくらみが起こる
・肩こりや頭痛がする など

不安と偏桃体の関係性

不安が強くなると焦燥感を感じやすくなるため、思うように物事が進まないことに対してイライラしてストレスを感じてしまいがちです。息苦しくて押しつぶされそうになり身動きが取れない状態に。

目の前で起きている現実を受け止められなくなり、思考や感情の整理ができなくなってしまうのです。過剰に不安になるのには、脳の偏桃体が関係しています。

感情の処理や直観力、ストレス反応などに重要な役割を果たしている偏桃体は、主に恐怖・緊張・不安・怒りなどのネガティブな感情に関わりがあります。

漠然とした不安を抱えていたり過剰に心配し過ぎたりするひとは、偏桃体の活動が盛んになっているためにストレスにも敏感に反応しやすくなっているといわれています。

不安を和らげるマインドフルネス瞑想

そこで一度試してみてほしい方法がマインドフルネス瞑想です。マインドフルネス瞑想を行うと、過剰になっている偏桃体の活動を抑制します。心と体は穏やかに落ち着き、緊張から解き放たれた状態へと導いてくれるのです。

不安な気持ちを解消したいのに「どうしたら不安は無くなるんだろう」と苦しくて誰にも話せずに辛い・・。

このようなときはまず「わたしは今、不安を感じているんだな」と気づき、そのまま受け入れてあげることが大切です。マインドフルネス瞑想は「今、この瞬間」自分のありのままの心と体に意識を向けることで、思考や感情を客観視できるようになります。

自分を客観視できるようになると思考や感情をうまくコントロールできるようになるため、本来持っている穏やかで落ち着いた心の状態に戻っていけるのです。

マインドフルネス瞑想の手順

ここからはマインドフルネス瞑想の基本となる呼吸瞑想をご紹介します。不安を感じているときや、なんだか気持ちがモヤモヤして落ち着かないときに実践してみてくださいね。

時間がないときは、ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。数回行うだけでも副交感神経が優位になりリラックス状態になり、心がきっと落ち着いてくるでしょう。

①姿勢を正して座る

背筋をピンと伸ばし、重心が真っすぐに座骨に落ちるイメージで安定した姿勢で座ります。
椅子に座っても問題ありません。両耳、肩、腰が垂直になり、鼻の下にお臍がある状態が真っすぐの姿勢です。反り腰にならないように注意しましょう。

②自分の呼吸にしっかりと意識を置く(呼吸瞑想)

腕や肩を脱力し、無理のない姿勢で楽に呼吸を整えます。もっとも大切にしてほしいポイントは、呼吸をコントロールしないことです。
鼻から吸って気管を通り、肺に送られる空気をイメージしてみましょう。
呼吸と共にお腹が膨らみ縮んだり、肩がゆっくりと上下したりする体の変化をただひたすらに感じます。「今、息を吸っている」「今、息を吐いている」という感覚を捉えてみましょう。

③感情や思考が浮かんできても、追いかけずに呼吸に戻る

マインドフルネス瞑想をしている間、不安を感じる対象や心配事が浮かんでくることもあるかと思いますが、集中できていないと焦ったり自分を責めたりする必要はまったくありません。
まずは「自分の心や思考はあちらこちらに動き続けるものだ」と自分自身で気が付くことがとても大切。「今、自分はこんなことを考えた」と気づき、思考や感情を追いかけず淡々と呼吸に意識を戻しましょう。

呼吸に意識を置くマインドフルネス瞑想で不安の連鎖を断ち切ろう

今回は、不安な状態が続くと心と体に何が起こるのか、また不安に対する瞑想としてマインドフルネス瞑想をご紹介しました。

不安という感情は誰にでも起こる自然な感情です。

不安を感じているときに、「どうやったらこの不安が消えるのだろう」「不安を感じないようにするにはどうすればいいのだろう」などと思い悩まずに「わたしは今とても不安を感じているんだね、そうなんだね。」とありのままに受け入れてあげることが大切です。

不安を無理になくそうとする必要はありません。不安を感じている自分をやさしい気持ちで抱きしめてあげませんか。

不安に押しつぶされそうなとき、「今、この瞬間」の呼吸に意識を集中するマインドフルネス瞑想で、いつでも自分の呼吸に戻って心の安寧を取り戻しましょう。

吐き出す呼吸と一緒に不安な感情も吐き出すイメージで。そして自分のペースを大切に。

今ある不安な気持ちが少しでも和らぎますように。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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