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睡眠とリラクセーション

ゆるめる、という癒し——PMRリラクゼーション

ゆるめる、という癒し——PMRリラクゼーション

ゆるめる、という癒し——PMRリラクゼーション

みなさんは「がんばりすぎている」と感じたことはありますか。
肩に力が入りすぎていたり、眠れない夜が続いたり。そんなとき、あなたの身体と心は「少し休ませて」とサインを出しているのかもしれません。

今回は「PMRリラクゼーション(漸進的筋弛緩法)」をご紹介します。
これは自律神経をととのえる、とてもシンプルで効果的なリラクゼーション法です。

PMRリラクゼーションとは

筋肉の緊張と弛緩を繰り返して、深いリラックスを得る方法

PMRは英語で「Progressive Muscle Relaxation」の略。
日本語では「漸進的筋弛緩法」と呼ばれ、1930年代にアメリカの精神生理学者エドモンド・ジェイコブソンによって開発されました。

やり方はとても簡単で、「筋肉をぎゅっと緊張させて、すとんと力を抜く」——これを体の各部位ごとに順番に行っていくだけです。

緊張と弛緩を意識的に繰り返すことで、自分では気づきにくい身体のこわばりを発見し、深いリラックスへと導いてくれます。

なぜ「ゆるめる」ことが大切なのか

私たちは日々、たくさんの情報や刺激にさらされています。
通勤電車の人混み、画面越しの会話、終わらないタスク。

これらはすべて、知らず知らずのうちに私たちの身体に緊張を与えています。
特に肩、首、背中、そして顔の筋肉はストレスに敏感に反応し、気づかぬうちに固くなっています。

PMRでは、その緊張に気づき、あえて「ぎゅっと」力を入れることで、逆に「脱力する感覚」をより深く感じることができます。
この「気づいてから、ゆるめる」というプロセスが、自律神経をととのえ、深い癒しをもたらすのです。

PMRのやり方

寝る前やストレスを感じたときに試してみましょう

1、静かな場所で、椅子や床に楽な姿勢で座るか、横になる
2、ゆっくり呼吸を整える
3、足の指から始め、5秒ほどぎゅっと力を入れる
4、ぱっと力を抜いて、力が抜けていく感覚に意識を向ける
5、ふくらはぎ、太もも、お腹、肩、腕、顔…と順番に上へ移動しながら同じことを繰り返す
6、最後は全身をだらんと脱力し、しばらく静かに余韻を味わう

目を閉じながら、やさしく呼吸を意識して行うと、より深いリラックスが得られます。
大切なのは「完璧にやろうとしないこと」。うまく力が抜けなくても大丈夫。ただ「いまの自分」に気づくだけで、十分なのです。

PMRの効果

眠れない夜にも、緊張した日にも

PMRは次のような効果があるとされています:

・筋肉のこわばりをやわらげる
・呼吸が深くなり、副交感神経が優位になる
・不安や緊張を軽減する
・頭がすっきりし、心が落ち着く
・寝つきがよくなる

とくに「眠れない夜に布団の中で実践する」と、ぐっすり眠れたという声も多くあります。
また、人前で話す前、会議の前など、緊張を和らげたいシーンでも活用できます。

「力を入れる」から「手放す」へ

がんばるだけが正解じゃない

わたしたちは「がんばること」「耐えること」に価値を感じがちです。
でも、ずっと力を入れ続けたら、筋肉も心も疲れてしまいます。

PMRは、そんな日々の緊張をふっと手放すための優しい方法です。
「手放すこと=あきらめる」ではありません。「手放すこと=ゆるし、自分をいたわること」。

緊張と緩和を知ることで、はじめて本当の意味での「安らぎ」に出会えるのかもしれません。

まあるく、しなやかに過ごすために

PMRは特別な道具も場所も必要ありません。
あなたの身体と、少しの時間があればできるリラクゼーション法です。

今日という一日の終わりに、あなたの身体と心に「ありがとう」と伝えるように、
ゆっくり、じんわりと緩めてあげましょう。

「氣は長く、心は丸く、腹立てず」——
まあるく、やさしい心で過ごすためのひとつの手段として、PMRを取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今夜も心地よい眠りにつながりますように。

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