「近くの瞑想」わたしに一番近い場所で心を整える

わたしのすぐそばにあるマインドフルネス瞑想
こんにちは。厳しい暑さが続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
合掌のブログを担当させていただくことになって1年が経過しました。
今回は、マインドフルネス瞑想と出会って1年が過ぎ、わたしが個人的に感じている変化をご紹介したいと思います。
マインドフルネスとは”気づき”
マインドフルネスとは古代インドの言語であるパーリ語の仏教用語「sati(サティ)」の英訳です。日本語では「念」や「気づき」などと訳されます。サティには主に以下の3つの意味があると考えられています。
1. 言葉以前の気づき
2. ありのままの注意
3. 思い起こすこと
日本マインドフルネス学会において「マインドフルネスとは、今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずにとらわれのない状態でただ観ること」と定義されています。
わたしたちは無意識に過去の後悔や未来に対する不安などに意識を向けてしまう傾向があります。今この瞬間目の前で起きている出来事や自分の思考・感情などに気づかずに過ごしていることがとても多いのです。
またSNSやインターネットなど情報源はさまざまですが、外部から入ってくる情報は自分で処理できないほど溢れすぎていて何が本当で何が嘘なのか見極めるのも大変な時代。
戸惑うこともあるでしょう。たとえ揺らいでも「今、この瞬間」自分の内側から湧いてくる思考や感情に注意を向けられる状態に近づいていく「気づき」が大切になってくるのではないでしょうか。
マインドフルネス瞑想の目的
「今、この瞬間」に意図的に意識を集中させるマインドフルネス瞑想の目的は、確かなメリットを手に入れることです。
たとえば集中力が上がり効率よく仕事が進んだり、怒りやイライラなどの感情をコントロールしたりなど、ストレスと上手く付き合いながら、よりよい日々を生きていくための方法のひとつであると感じています。
自分を客観的に観るチカラが養われるため、なにがあっても冷静に受容できるようになります。前向きな思考になり、幸せを感じる瞬間が増え、心を静かに落ち着かせるのです。
呼吸に意識を向ける「近くの瞑想」─マインドフルネスの基本

マインドフルネス瞑想の基本は呼吸瞑想です。呼吸に意識を向けて「今、この瞬間」に集中する方法を一緒に見ていきましょう。
まずは1日5分から始めてみませんか。
①姿勢を正して座ろう
背筋を伸ばして重心が真っすぐ座骨に落ちるイメージで安定した姿勢を保ちましょう。あぐらが難しい場合は椅子に座ってももちろん大丈夫です。
②自分の呼吸にしっかりと意識を置こう
腕や肩のチカラを抜いて、無理のない姿勢で普段通りの呼吸を行います。鼻から吸って気管を通り、肺に送られる空気をイメージしてみましょう。「息を吸っている」「息を吐いている」という感覚をとらえながら呼吸に集中します。
③思考や感情が浮かんでも追いかけない
呼吸瞑想をしていると、雑念が浮かんできます。集中できていない自分を責める必要はありません。まずは「自分の思考や心はあちらこちらに動き続けるものだ」と理解しておくことが大切です。呼吸から意識が逸れたとしても、「今こんなことを考えた」と気づき、淡々と呼吸に戻りましょう。
ふとしたときに呼吸瞑想を行うことで習慣化
1日数分の呼吸瞑想を継続して行っていたら、不安を感じるような出来事に出くわしたときや、ちょっと気持ちが落ち着いていないとき、呼吸に意識を向ける技がいつの間にか身に付いていることに気が付きました。
たとえば歯医者さん。歯医者さんで治療してもらうって緊張しませんか。
お口を大きく開けて治療やケアをしてもらうときわたしは、気持ちを落ち着かせるために両手でハンカチをぎゅっと握りしめているのですが、ある日呼吸瞑想をやってみようと思い付きます。
ゆっくりと鼻呼吸に意識を集中させ、お腹が膨らみ凹む様子も観察しているうちに不思議とリラックスができました。
緊張していることに気づき、受け入れて、呼吸に意識を集中して、リラックスできたことを心と体でありのままに感じられたのです。
わたしが感じているマインドフルネス瞑想の効果

マインドフルネス瞑想を継続して行うと、効果はさまざまな場面で表れます。「今、この瞬間」ありのままの自分の心と体に意識を集中できるようになると、今まで気づかなかったことに気づけるようになります。
疲れているときは無理しない、美味しいご飯を食べて体が喜んでる、今とても幸せを感じているなどと、自分を客観的に観られるようになるのです。
自己認識力が向上した
自己認識力とは「自分自身の内面を深く追求し自分がどのような状況や精神状態にあるのかを自覚すること」「自分自身の性格、能力、思考パターン、感情などを明確に理解する能力」とされています。
マインドフルネスを継続していると自分の思考や感情を客観的にとらえられるようになるため、たとえば自分が怒りを感じたときに「今わたしは怒っている」と客観的に認識し、その感情を意識的に手放せるようになります。
反対に自己認識力が低い場合、怒りの感情に引っ張られやすく、その後も些細なことでイライラしたりストレスを解消しきれなかったりと不快感が続き断ち切れない状態に。
腹が立ったり不快に感じたりする出来事があっても、その感情に吸い込まれずに常に安定した感情をもって日々の暮らしが送れるようになりました。
ひとに気を遣いすぎて自分の気持ちを後回しにしてきたわたしにとって、この部分は本当に大きな変化だったのです。
睡眠の質が向上した
とにかくよく眠れるようになりました。もともと寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めていたのですが、睡眠の悩みはほぼ無くなったといってもいいです。
寝付けない日も月に1度くらいはありますが、わたしには呼吸瞑想という心強い味方がいる。お腹に手を当てて呼吸に意識を向けているといつの間にか眠っているのです。
しっかり眠れるって素晴らしいです。
睡眠の質があがると、免疫力が上がり風邪をひきにくくなったり翌日のパフォーマンスが上がったりなど、相乗効果を実感しています。
すべては繋がっているんですね。
マインドフルネス瞑想はいろいろな場面でできる
瞑想と聞くとやはりあぐらをかいて目を閉じてじっと動かずに…というイメージがありますが、わたしたちの暮らしに簡単に取り入れられます。
マインドフルネスの基本である呼吸瞑想の時間を確保するために朝少し早く起きる必要もありません。ふとしたときに注意を払うだけでいいのです。日々行っている掃除や洗濯、料理などの作業もマインドフルネスに変えてしまいましょう。
わたしが一番マインドフルネスになれるのは、料理と歩行です。
野菜を切ったりお肉を捏ねたりの作業もそうですが、お湯が沸いていく様子やお魚が焼ける匂いなど、ひとつひとつに意識を集中していると心地よい気持ちに包まれます。わたしにとってストレスを解消するひとつのようです。
また歩いているときは、足の裏の感覚を確かめながら一歩一歩あるきます。膝、太ももなど筋肉の動きや腕の振り方にも注意を向けます。
今は大暑で外にいるのも辛い時期。足早に家に帰りたいところですが、暑い暑いと頭がいっぱいになっていてはもったいないかもしれません。
蝉の鳴き声は聞こえますか。空の色はどうでしょうか。風がまったく無い日もあったり、気持ちの良い風に出会えるときもあるでしょう。短い時間でもマインドフルネスに歩いてみませんか。
熱中症には本当にくれぐれも注意してくださいね。
マインドフルネスを行うにあたっての注意点
マインドフルネス瞑想はさまざまな効果がありますが、なかには実践すると心と体に不調をきたしてしまうかたもいます。
うつ病や統合失調症などの精神疾患を抱えている場合、瞑想で余計な思考を失くそうとすることにより、自分が不安を感じている部分に意識が向いてしまいます。結果として症状が悪くなる可能性があるのです。
またPTSD(心的外傷後ストレス障害)をお持ちのかたも、瞑想の最中に過去の出来事やトラウマなどに伴う辛い感情が引き起こされてしまう可能性があります。
もしマインドフルネスをやってみたい場合は、主治医や心理カウンセラーへ相談することが大切です。
いつでもどこにいてもマインドフルネス瞑想で心はととのえられる
「今、この瞬間」をとらえるマインドフルネス瞑想はいつでもすぐそばにあります。
情報が溢れすぎている時代、なにが正しくてなにが間違っているのかわからなくなることもあるでしょう。だからこそ「今、この瞬間」の自分の心と体にありのままにもっと耳を傾けていきたいと思うのです。
朝起きてから、少し疲れを感じた日中、夜眠る前の数分間、当たり前に行っている呼吸に意識を向けてみませんか。毎日継続してマインドフルネス瞑想を行っていたら「あれ、なんか心と体がととのってきているぞ」と気づく瞬間が必ず訪れます。
それは緩やかかもしれません。ゆっくりですがきっと、日々の暮らしがよりよくなっていくと思います。
がんばりすぎないこと。
自分のペースで行うこと。
できるところから少しずつ。
休むときは休みましょう。
不安や怒りなどに振り回されない、穏やかで静かな心、マインドフルネスな状態でいられる時間が少しずつでも増えていきますように。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。