心と部屋のリセット週間

GWにマインドフルネス×断捨離のすすめ
2025年のゴールデンウィークはカレンダー通りの連休となりますが、みなさんはどのような予定を立てていますか。どこへ出かけても混雑しているため自宅でのんびりしようと考えているかたも多いかと思います。
新年度がスタートして約1か月。時間に追われていつの間にか散らかってしまう部屋。
我が家も数日前にテーブルの上を綺麗にしたはずなのに、パソコンの周りは物だらけ。
部屋の状態は心の状態といいますが、実際に散らかった部屋にいるとイライラして心はトゲトゲ、体もなんだか不調を感じてしまいます。
慌ただしい毎日から離れて少しゆっくり休めるこのタイミングに、集中力を高める効果もあるマインドフルネスで心と部屋を断捨離してみませんか。
断捨離とは
いざ片付けようと思っても、どこから手をつければいいのかわからないことってありますよね。断捨離は2010年頃にブームとなりました。不必要なものを手放すことが断捨離ですが、それだけではありません。
断捨離という言葉はヨガの哲学である「断行(だんぎょう)」「捨行(しゃぎょう)」「離行(りぎょう)」の3つをもとに生まれました。
それぞれの意味を見ていきましょう。
・断行・・・入ってくる不必要なものや情報、悪い習慣などを断つこと
・捨行・・・今ある不必要なものや余計な心配ごとを捨てること
・離行・・・ものやお金、地位、名声などの執着から離れること
断捨離とは要らないものを捨てて部屋をスッキリと片付けるだけでなく、さまざまなものに対する執着を手放すことでもあります。
断捨離するとあらわれる効果
断捨離で不要なものを手放すと部屋がスッキリと片付くだけではありません。ごちゃごちゃと散らかった部屋から解放されると、心も晴れやかになり気持ちが落ち着きます。
ほかにも以下のような効果があります。
・探しもののストレスが減る
・周囲が整うことで視覚刺激を減らし、集中力が向上する
・片付いた部屋は風通しも良くなり運気も上がる
”気づいて手放す”マインドフルネス
マインドフルネスとは仏教用語である「sati(サティ)」を英訳した言葉です。
日本語では「気づき」と訳します。サティの意味は以下のように主に3つあると考えられています。
1. 言葉以前の気づき
2. ありのままの注意
3. 思い起こすこと
そして日本マインドフルネス学会においてマインドフルネスとは「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で観ること」と定義されています。
「今、この瞬間」目の前の物ごとに対して何も考えずに集中している状態です。
たとえば紅茶や珈琲などを飲むときにただ飲むのではなく、カップの温かさや色、香り、温度、喉を通っていく感覚など五感を総動員して飲む、というようなことです。
過去の後悔や未来への不安などに囚われずに「今、この瞬間」目の前の現実に五感を研ぎ澄まして観察するチカラを育てていけるのがマインドフルネスです。
「今、この瞬間」の自分の心と体が満ち足りていれば、不安や怒り、欲や執着などを手放せるようになります。
ネガティブな感情に振り回されなくなり、穏やかで静かなマインドフルネスの心でいられるようになるのです。
マインドフルネス瞑想(呼吸法)の方法
マインドフルネス瞑想の基本は呼吸法です。5分でできるため、片付けを始める前に呼吸をととのえてみませんか。心と体がすっきりして片付けをする集中力とモチベーションを高められます。
①まず1人になれる落ち着く場所に行きましょう。楽な体勢で座ったら背筋をピンと伸ばし、重心が真っすぐに座骨に落ちるイメージで安定した姿勢を保ちます。
体をゆっくりと左右に揺らしながら、均等に体重をかけていきましょう。
②次に自分の呼吸を観察しましょう。腕や肩をリラックスさせて無理のない姿勢で楽に呼吸をととのえます。
呼吸と共にお腹が膨らんだり縮んだり、肩がゆっくりと上下したりする感覚に集中します。「今、息を吸っている」「今、息を吐いている」という感覚を丁寧に捉えてみましょう。
③マインドフルネス瞑想をしていると、感情や思考が浮かんできて集中が途切れることもあります。呼吸から意識が逸れたとしても自分を責めずに「今仕事のことを考えたなぁ」などと気づき、受け入れて、そっと呼吸に意識を戻しましょう。
ポイントは「自分の心や思考はあちらこちらに動き続けるものだ」と自分自身で気が付くことです。浮かんできた思考や心の動きは手放して追いかけないことが大切です。
マインドフルネスで集中力を高められる
マインドフルネスの短期的な素晴らしい効果の1つが、集中力の向上です。
現代のわたしたちは情報社会で常に多くのコンテンツに囲まれていますよね。
必要な情報はすぐにスマートフォンで検索できますし、欲しい情報だけを読んでいるつもりが表示される広告に一瞬目が留まってしまいます。注意は常に分散してしまい、集中力が続かないというひとが増えているといいます。
集中力向上への近道は、視覚から入ってくる刺激を減らすことです。たった数分でも目を閉じ何も見えないようにすると、一時的に脳を休憩させる効果があります。
散らかった部屋で過ごしているとイライラしてしまうのは、視覚から入ってくる情報量が多いことが関係しているのですね。
「今、この瞬間」ありのままの自分の心と体に意識を集中するマインドフルネスを継続して実践すると、集中力を高めるだけでなく持続もできるようになるのです。
マインドフルネスはDMNの活動を抑制できる
マインドフルネスは1日中フル回転している頭の中を静かに落ち着かせて、何も考えない時間を意識的に作ることができます。
わたしたちの脳はボーっとしているときでも約70〜80%ものエネルギーを消費しているそうです。これはDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といわれ、脳が無意識に活発になる脳機能のネットワークを指します。
DMNが「オン」の状態にあると、アイデアが生まれやすかったり、脳内の情報が整理されたりなどのメリットがありますが、過剰に働きすぎると過去の後悔や未来への不安で頭がいっぱいになり、どれだけ休んでも疲れが取れない症状が起きやすくなります。
目の前で起きている物ごとに対する集中力も低下してしまうのです。これでは片付けもはかどりません。
「今、この瞬間」に意識を向けて集中すると、DMNの活動を抑制して脳に休息を与えられるのです。脳を一時的に休ませることで得られる効果は以下の通りです。
・集中力が向上し生産性が上がる、頭がクリアになる
・脳疲労を回復する
・不安やストレスなどが軽減される
・免疫力が上がる
・睡眠の質が向上する
・イライラしたりモヤモヤしたりする気持ちが減る
・穏やかになり幸福感が向上する
断捨離の手順
さっそく基本的な断捨離の手順を見ていきましょう。一度の断捨離で家をすべて片付けようとするとかなり負担になり、ストレスを感じてしまうものです。
まずは使用頻度の高い場所からトライしてみましょう。気を付けてほしい点は、同居する家族がいる場合、トラブルを避けるためにも自分の所有物でないものは所有者本人に必ず確認することです。
疲れた、集中力が切れてきたと気づいたら一旦休憩しましょう。
気負い過ぎずに、自分のペースで片付けていきましょう。
1. マインドフルネス瞑想を5分間行う
2. 断捨離をする場所を決める(キッチン・冷蔵庫・タンスの引き出しなど1箇所ずつ行う)
3. 必要なもの・不必要なもの・保留のもの(判断できないもの)の3つに分類する
4. 必要なものを収納する
5. 不必要なものを処分する(捨てる・売る・譲るなど)
6. 保留のものは保管しておき、1か月後に改めて判断する
断捨離とマインドフルネスで「手放す」チカラを鍛えよう
今回は、断捨離とマインドフルネスについてご紹介しました。断捨離とマインドフルネスの共通点は「手放す」にあると思います。
不必要なものを捨てて部屋を片付けるだけではなく、さまざまなものに対する執着を手放すのが断捨離です。
そしてマインドフルネスは「今、この瞬間」ありのままの自分の心と体に意識を集中している状態です。目の前にある現実で自分の心が満ち足りていれば、不安や怒り、欲や執着などを手放せるようになります。
片付けを始める前に行う5分間のマインドフルネス瞑想は、集中力も高まり断捨離が驚くほどはかどるでしょう。「今、この瞬間」の自分の生活状況や感覚に意識を向けて、本当に必要なものかどうか見極めてみましょう。
部屋がととのうと心も穏やかになります。今の自分が本当に大切にしたいものが何なのかがきっと明確になってくるはずです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。