ガーデニング×マインドフルネス

マインドフルネスの感覚を味わえるガーデニング
桜やモクレン、椿、菜の花、チューリップ。あちらこちらで美しい花を楽しめる季節になりました。新年度いかがお過ごしでしょうか。
先日みちばたに咲く小さな草花に気が付いた子どもが「かわいいお花があるよ」と教えてくれたときに心がほっこりしたことを思い出します。
自然はわたしたちを癒してくれます。花を見ると嬉しい、明るい気持ちになりませんか。
実際に花や緑などの植物に囲まれて時間を過ごすと、ストレスホルモンの分泌を低下させると研究でも報告されています。
これまでもブログでご紹介している「今、この瞬間」ありのままの自分の心と体に意識を向けて集中するマインドフルネスは、ガーデニングとも相性抜群です。
植物との触れ合いのなかで感じられる匂いや太陽の光、風の音に意識を向けて、マインドフルネスの感覚を味わってみませんか。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態でただ観ること」と定義されています。
たとえば新年度、はじめましての挨拶で自分の話し方を思い出して後悔したり、新しい環境で上手くやっていけるかどうか心配したりと、わたしたちは気づかないうちに過去や未来に意識を向けてしまいがちです。
このような考えで頭の中がいっぱいになると目の前で起きている現実が見えなくなり、上の空になってしまいます。
「今、この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスな状態でいられるようになると、不安や怒りなどのネガティブな感情に振り回されなくなり、穏やかで静かな心を保てるようになります。
そしてマインドフルネスな状態がどのようなものであるかを認識し、それを受け入れる心があれば、いつどこで何をしていてもマインドフルネスを実践できるようになるでしょう。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスな状態でいられるようになると以下のような様々な効果があります。
・考えても仕方のないことから自分を解き放てる
・ストレスや不安などに耐性が付く
・気持ちの切り替えが速くなる
・集中力が向上する
・自分の思考や感情などを客観的に捉えられるようになる
・自律神経のバランスが整う
・睡眠の質が向上する など
「今、この瞬間」に没頭できるガーデニング
仕事や家事、育児など忙しい日々を送っていると「ほっ」と一息つく時間もなかなか取れないですよね。心にゆとりがなくなると自分にも優しくできなくなってしまいます。
花やハーブなどを育てるガーデニングは、植物のお世話に没頭できる点から「今、この瞬間」に集中するマインドフルネスにピッタリです。
植物を育てるために行う作業はすべて、余計なことは考えずに目の前の「今、この瞬間」に意識を向けさせてくれます。
種を蒔き、発芽して茎が伸び、葉が茂り蕾がひらいて花が咲く。植物がだんだんと育っていく喜びは、わたしたちの心と体を元氣にしてくれるのです。
土に触れる(触覚)
土を掘ったり、スコップで移動したりなど、ガーデニングにおいて土に触れる機会はとても多いです。水やりのタイミングでは土の表面が乾いたかどうかを手で触って確かめます。
またふかふかの土に触れると落ち着く感覚があるのは、土の中に棲むバクテリアが関係しています。土の中には脳内神経伝達物質の1つである”セロトニン”を増やす働きを持つバクテリアが存在しているそうです。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、精神を安定させる働きがあります。
土に触れたりその空気を吸い込むことによって体内にセロトニンを増やすことができるといいます。
花や葉、草の香りを感じる(嗅覚)
花が香るのは昆虫や鳥を引き寄せて受粉を手助けしてもらうためですが、わたしたち人間も、花の香りに誘われることってありますよね。心地よいと感じる花の香りを嗅ぐとゆっくりと深呼吸したくなります。
五感のなかで唯一、嗅覚の刺激だけが喜怒哀楽などの感情をつかさどっている大脳辺縁系に直接伝わります。脳に届くまでの時間はわずか0.2秒以下。ものすごいスピードです。
香りを嗅いだ瞬間に癒されたり気持ちが落ち着いたりするのはこのためです。
甘くてフローラルな花の香りやフレッシュな香り、土や草の香り。そのときどきで感じるさまざまな香りに意識を向けてみましょう。
自然の音に耳を傾ける(聴覚)
ガーデニングをしていると聞こえてくる自然の音。季節や天候によっても日々異なるでしょう。新緑の香りとともに吹き抜ける清々しい風や、草花が優しく揺れるそよ風。
雨がポタポタと落ちてくる音や、夏には逞しく鳴く蝉の声。秋や冬はどんな音が聞こえてくるのでしょうか。
自然界に存在する風や雨、波の音、木々のざわめきなどを聞くと、心地よく感じた経験はありませんか。これは”1/fゆらぎ”といい、「不規則的なもの」と「規則的なもの」がほどよく調和した状態をいいます。
このゆらぎは、わたしたちにリラックスや心の落ち着きをもたらしてくれるのです。
鳥の鳴き声、植物に水やりをするときの音。
「今、この瞬間」聞こえてくる自然の音に耳を傾けてみましょう。
さまざまな光を感じる(視覚)
日当たりのいい場所で行うガーデニング。お日さまのようすはどうでしょうか。
早朝に水やりを行ったあと、お日さまの光を浴びてキラキラと潤って気持ちよさそうにしている植物のようすも観察してみます。
ガーデニング中に感じる眩しい日の光も健康を維持するために大切な要素です。体内でビタミンDが作られ骨を丈夫にします。
また雨降る日にはいつもよりも色鮮やかに美しく見える植物たちに出会えるでしょう。
雨で身動きが取れなくとも植物を眺めているだけでストレスホルモンは減少し、リラックスできる効果があります。
花や緑に触れマインドフルネスな毎日を送ろう
今回はマインドフルネスの感覚を存分に味わえるガーデニングについてご紹介しました。
春らんまんのこの季節。美しい花や緑に触れてリラックスしませんか。
ガーデニングで行う作業はすべて「今、この瞬間」に意識を向けさせてくれます。
植物を育てながらマインドフルネスになれるガーデニング。
家事や仕事、子育てで慌ただしい毎日のわたしたちに、穏やかな心と健やかな健康をもたらしてくれるのではないでしょうか。
今日からまた、マインドフルネスな自分でいられる時間が少しでも増えていきますように。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。