小さな子どもたちへ

小さな子どもたちへ

 みなさんは、神社やお寺にお参りしたとき、両手の手のひらをあわせて、心の中でお祈りしたり、神さま仏さまへお願い事を言ったりするでしょう。

 そのように両手の手のひらをあわせることを「合掌」するといいます。

 あるいは、おうちの中で、お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃんが、仏壇に向かって合掌しているところを見たことがあるかもしれません。もしかしたら、みなさんも一緒にお線香を上げたりしながら、毎朝合掌しているかも知れませんね。

 合掌をするのは、相手に敬いと感謝の気持ちを伝えるためです。

 たとえば、みなさんはご飯を食べる前には、「いただきます」と言いますね。食べ物は、もともとはさまざまな動物や植物です。鳥も、牛も、豚も、ご飯も、野菜も、もともとはみなさんと同じように生きている命だったのです。そのいのちをいただいているのですから、「いただきます」と言うのです。

 普段、「いただきます」というときに、合掌していますか。もししていなかったら、今日から合掌しながら「いただきます」を言うようにしましょう。それが、みなさんのために食べ物になってくれたたくさんの命に対する、敬いと感謝になるのです。

 食べ物に対する敬いと感謝だけではありません。みなさんの食卓に食事が並ぶまでには、家畜を育ててくれる人、材料を運んでくれる人、料理をしてくれる人など、さまざまな人の目に見えない努力があるのです。それらの方々への敬いと感謝の意味も込めて、合掌しましょう。

 みなさんは、自分のことが大切ですか。もちろん、大切ですね。

 今から2600年も昔に仏教をひらいたお釈迦様は、こうおっしゃっています。「私はかつて、自分よりも愛しいものを探して世界中を旅したけれども、とうとう自分より愛しいものをみつけることはできなかった。それは、他の人にとっても同じこと。人も、動物も、虫も、自分が一番大切なもの。だから、他の人を傷つけてはいけないのだよ。他の人自身が、その人にとって大切なものなのだから」

 みなさんが、みなさん自身のことを大切に思うように、他の人も大切なものなのです。だから、周りの人にも、敬いの気持ちを持ちましょう。みなさんの周りにいる人とは、お父さんお母さん、兄弟姉妹、幼稚園や学校の友達や先生です。お互いがお互いを敬いあって合掌すれば、きっと、友達とケンカすることもなくなりますね。

 日本で一番高い山、富士山も、よくみると、あなたに向かって合掌していますよ。