ランニングと瞑想の相乗効果

ランニングと瞑想で得られる効果
運動不足の解消やストレス発散などを目的に、ランニングを習慣としている方は多くいます。実際に、4人に1人の方がランニングやジョギングを行っているといいます。
しかし、健康に良いとは分かっていても「走るのは辛い」と考えている方も多いのではないでしょうか。ランニングは、健康のためだけに走ることではありません。
今回は、ランニングの魅力と効果をはじめ、ランニングに瞑想を取り入れる方法もご紹介します。
ランニングの本質
ランニングの本質は「楽しい」にあります。ランニングといえばやはり、きつくて苦しいというイメージがあると思いますが、習慣的に行っている人々は始めた理由がどうであれ、「走るのが楽しくて仕方がない」と感じているといいます。
一歩一歩踏み込む足の感覚を楽しんだり、全身に受ける風を感じたり、そこには「楽しい」という気持ちがいつでもあります。また、今日はどのルートで走り、どこで休憩しようかなども、自分の思うまま好きなように決められるのです。
健康維持はもちろん、毎回違う「楽しい」に出会えるからこそ継続してランニングを行っているのではないでしょうか。
瞑想とは
瞑想とは、『心を静めて無心になること、何も考えずにリラックスすること、心を静めて神に祈ったり、何かに心を集中させること、目を閉じて深く静かに思いをめぐらせること』と、明示されています。
瞑想の主な効果には、ストレスの緩和、集中力・注意力の向上や感情をコントロールできるようになるなどが挙げられます。
余計な思考を排除し、ありのままの自分の心と体に意識を向けられるようになるための手段が瞑想です。
ランニングの効果
健康の維持や増進、ダイエット効果などのイメージが強いランニングですが、他にはどのような良い影響をもたらしてくれるのでしょうか。
ランニングが体に与える素晴らしい効果を3つご紹介します。
1. メタボリックシンドロームを改善する
メタボリックシンドロームとは、お腹の内側や内臓の周辺に脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」に加え、高血圧、高血糖や脂質代謝異常などのうち2つ以上該当している状態のことです。
有酸素運動の一種であるランニングは、メタボリックシンドロームの要因である内臓脂肪を減少させると考えられています。
2. カロリー消費により体型が引き締まる
ランニングを行うとカロリーが消費され、体型が引き締まってくることが期待されます。体脂肪が減少するだけではなく、筋肉量も改善されるためです。
個人差もありますが、はっきりと効果が表れるのはおよそ3か月目以降といわれています。腕周りや、太腿・ふくらはぎ・お尻などの下半身を引き締めるためにはランニングの継続が大切です。
3. 心臓が強くなりスタミナがつく
ランニングの習慣化によって、心臓が強くなる効果があるとわかっています。
肺は、たっぷり酸素を取り込みます。その酸素をたっぷり含んだ血液を全身に送り出しているのがポンプの役割をしている心臓です。
ランニングによって心拍数が上がると、最大心拍数と安静時の心拍数の差が大きくなってきます。この差が大きくなればなるほど心臓に余力が出ます。心臓が1回のポンプ運動で、全身により多くの酸素と血液を届けられるようになるため、スタミナがつくのです。
瞑想を組み合わせることで得られる効果
ランニングに瞑想を取り入れることでどんな効果が得られるのでしょうか。
先ほどご紹介したように、瞑想は、余計な思考を排除しありのままの自分の心と体に意識を向けられるようになるための手段です。ストレスの緩和や集中力の向上などの効果が期待できます。
また、ランニングそのものが瞑想と同じような効果を持っています。走ることにより、脳が刺激され集中力や判断力が向上するのです。
ランニングと瞑想、2つの共通点は「呼吸」です。呼吸を上手にコントロールしながら、ランニングと瞑想を一緒に行うことで、相乗効果を生むことが期待できます。
ランニングに瞑想を取り入れる方法
さっそく、ランニングを瞑想に取り入れる方法を見ていきましょう。
走る前に呼吸を整える
走る前にまずは呼吸を整えましょう。「空気を胸いっぱいに深く吸い込み、数秒間止め、ゆっくりと吐き出す」これを3〜5分繰り返し、心を落ち着かせます。
リラックスした状態で走り出しましょう。
呼吸と姿勢を意識する
走っているときは肩を後ろに引いて胸を開くイメージで、できるだけ多くの酸素を取り入れることがポイントです。たとえば、3回吸って3回吐くというように、自分が心地よいペースでできる呼吸のリズムを見つけましょう。
足音を数える
はじめのうちは、足音を数えながら走ってみましょう。足音を1歩目から8歩目までカウントしたら、次は8から1へと減らしていきます。走りながら、足音と足音をカウントすることに集中します。
もし意識が他のことに逸れてしまっても、そのことに気が付き再び数のカウントを始めましょう。
走っている体に集中する
ランニング中、一歩一歩踏みしめる足裏の感覚にも集中します。地面を蹴り上げるふくらはぎ、同じテンポで振る腕や肩など、走るために動いている自分の体ひとつひとつに意識を向けてみましょう。
五感を使って「今、この瞬間」を感じる
走りながら、目に入ってくるものや聞こえてくるものなどをよく観察してみます。五感で感じたことを頭の中に書き出してみましょう。
「今日の夕飯何にしよう」「朝から家族に八つ当たりしてしまった」などといった雑念で溢れかえる”モンキーマインド”な状態で走っていても、心と体は余計に疲労を感じてしまうだけです。
目の前に広がる空の色、散歩をしているひと、畑のお野菜やスーパーの前で飼い主を待つ犬など、普段気にも留めていない物事に目を向けてみます。
また、子どものはしゃぐ声、鳥のさえずり、車の走行音、音響信号機の音や自分の呼吸音など、意識を向けてみるとさまざまな音が聞こえてきます。
季節によっても感じられる香りもさまざまでしょう。
モンキーマインドとは?
モンキーマインドとは、「注意散漫で集中できていない心の状態」を意味する心理学用語です。
仏教用語の「意馬心猿(いばしんえん)」に含まれる「心猿(しんえん)」が由来とされています。お猿さんを想像してみてください。木から木へと飛び移り、活発に動き回っている様子を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「心猿」とは、いろいろな物事に振り回されて、慌ただしく動き回って落ち着きのない状態を、お猿さんが騒いで活発に動き回る様子に喩えた言葉です。
なにかひとつのことに集中できず、雑念で頭がいっぱいになると、脳は疲れやすくなります。脳は臓器の中で膨大なエネルギーを消費する場所です。
このようなモンキーマインドを脱出すれば、私たちの脳は本来の力を十分に発揮できるようになるのです。
・集中力、判断力が向上する
・計算、読み書きなどの処理能力が上がる
・創造性が育まれる
やり方が合っているか不安になる必要はない
「今、この瞬間」にあることを認識して、観察することが大切であるため、ランニング瞑想に正解はありません。集中できていなくても、それを受け入れ、また淡々と足を一歩一歩踏み出しましょう。
考え事が浮かんでもそのまま浮かせておけばよいのです。
ランニングに感謝しよう
まずは自分の体に感謝します。自分の足で立つことができて、杖が無くても歩ける。ピタッと止まれて、またサッと自分ひとりの力で走り出せる自分の体にありがとうを伝えましょう。
感謝の心を常に持ち続けていられたら、ありとあらゆる物事に対しても前向きに落ち着いて対処できるようになるのではないでしょうか。
ランニングと瞑想でより良い毎日を送ろう
今回の記事では、ランニングと瞑想で得られる効果や、取り入れ方法などもご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
まず、ランニングは「走らなきゃいけない」ではなく「今日もれることが嬉しい、楽しい」と感じることが大切です。
ランニング、瞑想どちらにもある共通点は以下の通りです。
・呼吸が大切
・集中力が向上する
・ストレスが軽減される
ランニングに瞑想を取り入れることによって、脳・心・体をさらにリフレッシュできる効果も期待できます。
ランニング方法に正解はありませんが、一番大切にしたいのは五感を使って「今、この瞬間」を感じることではないでしょうか。
「辛い!しんどい!」と思いながらゼェハァ走っても、逆に疲れてしまいます。学業、仕事、子育て、介護など目まぐるしい生活の中、ランニングにあてる時間なんて無いかもしれません。
ですが、もしそのような中で少しでもゆっくりできる時間があったら、少しだけ走ってみませんか。いつも疲れ果ててヘトヘトで通っている道も、もしかすると違って見えるかもしれません。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。